こんにちは、名越凜です。
このブログは、四季折々にある日本の行事や日々の生活を愉しむコツをご紹介していきます。
私は、四季の行事など全く興味がありませんでした。それでも、何も支障はなかったのですが、結婚した後、子供の成長と共に色々なことを経験するたびに自分が何も知らないことを実感しました。このままでは、どれが正解なのかわからない。子供にきちんと教えることも出来ない。親として情けないと思い、少しずつ勉強を始めました。私が知らなかったように、もし知りたいと思っている人のきっかけになればいいなと思います。四季折々の日本の行事を愉しみましょう。
今回は、『お中元』についてです。
『お中元』は夏のご挨拶の定番ですが、『お中元』はどのように始まったのでしょうか。
お中元とは?
現在では、『お中元』はお世話になっている人に夏の挨拶をかねて贈り物をすることです。
もともとは、中国の三元論に由来し、上元・中元・下元には盛大なお祭りが行われました。
- 上元 1月15日 (旧暦)
- 中元 7月15日 (旧暦)
- 下元 10月15日(旧暦)
※三元論とは、中国の「陰陽五行説」に対して「三元論」というものがあります。この「三元論」は物事を三つに分けて考えるもので、一年を上元(旧暦一月十五日)、中元(旧暦七月十五日)、下元(旧暦十月十五日)と三つの変わり目に分けて考えました。
また、これは太陰暦で考えた日付で「十五日」は十五夜、つまり上元・中元・下元は、それぞれ満月の日で、満月の日にお祭りが開かれました。
※陰陽五行説とは、自然界のあらゆるものを「陰」と「陽」に分けて考える「陰陽思想」と自然界は「木・火・土・金・水」の五つの要素で成り立っていると考える「五行思想」が統合されたものです。
中元はさまざまな罪が許される日で、日本のお盆「盂蘭盆会」と結びつき、先祖を供養する行事となりました。江戸時代にはお盆のお供えのお礼に、親戚に贈り物をすることを『お中元』と呼んだのが始まりです。
お中元を贈る時期はいつがいい?
『お中元』を贈る時期は、日本国内でも色々違います。
一般的な例ですが、
- 北海道 7月15日から8月15日
- 東北・関東 7月初旬から7月15日
- 北陸 7月初旬から7月15日 または、7月15日から8月15日
- 東海・関西・中国・四国 7月中旬から8月15日
- 九州 8月1日から8月15日
- 沖縄 旧暦の7月15日前後 (8月中旬~9月初旬頃)
※県内によっても違う所もありますので、あくまでもご参考にして下さい。
『お中元』をいつ送るのか迷った場合に見極めるのに参考になるものの1つは、お盆の時期です。大まかに言うと、関東では、7月13日~15日ですが、関西では8月13日~15日です。
昔はお盆のお供えのお礼として渡していましたので、7月にお盆を行う地域ではお盆の7月15日まで、8月にお盆を行う地域では、8月15日までと覚えましょう。
時期により表書きは変わります。
東京の例で言いますと、熨斗紙(表書き)がこのように変わります。
熨斗紙(表書き)
- お中元 7月1日~15日まで
- 暑中お見舞い 7月15日~立秋まで(2024年8月7日) 目上の人には「暑中お伺い」
- 残暑お見舞い 立秋~8月15日まで 目上の方には「残暑お伺い」
※表書きとは、のし紙の上段に書く、贈り物の目的の言葉です。例えば、お中元、お祝いなどです。
目上の方には、「お見舞い」ではなく、「お伺い」にするとより丁寧になります。
水引についてですが、イラストのような結び方を「蝶結び」または「花結び」といいます。ほどいて結び直すことができる結び方で、何度でもあっていいことに使います。
紅白の水引は、婚礼以外のお祝い事や贈答品(お中元などの贈り物)に使われます。
たとえば、出産や進学などの何度あっても嬉しいお祝いごとや今後もお付き合いしていきたいと願う『お中元』やお歳暮などの贈答品の時には、紅白の水引で、「花結び(蝶結び)」がベストです。
これは、印刷してある熨斗紙についても同じです。
まとめ
『お中元』はお盆と結びつき、贈り物をする習慣が生まれました。
中元はお祝いの品ではなく日ごろの感謝を伝えるものなので、喪中の方に贈っても差し支えありません。ただ、まだ四十九日が過ぎていない忌中であれば、忌明けを待った方がいいでしょう。
また贈る場合には、紅白の水引とのし飾りの付いていない包装をするなどの気配りが出来たらいいですね。贈る品物はおめでたいことを想起させるものや、生ものは避けたほうがいいです。
贈り物をするのは、難しいしきたりなどもありますが、少しずつ経験をしていくことで、コツがわかってきます。恥ずかしがらずにお店の方に伺ってアドバイスを頂くのも上手くいくコツでもあります。
贈り物は、お相手の好みや環境に合わせて選べるといいですね。時期を守って贈るようにしましょう。
最後まで読んで下さりありがとうございました。
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