歳時菓子「水無月」で無病息災をしましょう。

季節の行事

こんにちは、名越凜です。

このブログは、四季折々にある日本の行事や日々の生活を楽しむコツをご紹介していきます。

私は、四季の行事など全く興味がありませんでした。結婚して、子供の成長と共に色々なことを経験するたびに自分が何も知らないことを実感しました。このままでは、どれが正解なのかわからない。子供にきちんと教えることも出来ない。親として情けないと思い、少しずつ勉強を始めました。私が知らなかったように、もし知りたいと思っている人のきっかけになればいいなと思います。四季折々の日本の行事を愉しみましょう。

皆さんご存知のように、日本には行事食(縁起食)があります。行事食とは、季節ごとの行事やお祝いの時に食べられる特別な料理のことをいいます。

例えば、おせち料理、ひな祭りのちらし寿司、七夕の素麺などです。

一年に一度しかない歳時の日、その日だけのお菓子を歳時菓子と言います。その行事食と歳時菓子を四季折々にご紹介していきます。

今回は、歳時菓子『水無月』です。『夏越の祓』の時に食べられます。水無月を食べることで無病息災を願います。

『夏越の祓』は、一般的には6月30日に行われます。 作法や、夏越ごはんを以前ご紹介しました。ご興味がありましたら、そちらもご覧いただければ嬉しいです。

水無月ってどんな和菓子? 由来は?

水無月って6月の和名では?と、思われた方もいるかもしれませんね。 

和名の水無月は、諸説ありますが、田んぼに水を張る月という意味の「水な月」だという説が有力だとされています。『夏越の祓』は、別名で「水無月の祓』とも言われます。それがこの和菓子の名前になったのではないかと思われます。

三角形の和菓子が『水無月』です。 水無月は、6月の下旬ごろ『夏越の祓』の頃になると、和菓子屋さんの店頭に並びます。

水無月』は、砂糖や餅粉で作った外郎の生地を削りたての鋭い氷に見立てた三角形の形にして、邪気を祓う小豆を乗せたものです。氷が貴重だった名残で氷の形になったと言われています。

和菓子 『水無月』の由来は?

由来は、室町時代、旧暦の6月1日は、「氷の朔日(ついたち)」と呼ばれ、宮中では氷室に保存した氷を食べる「氷室の節会(ひむろのさちえ)」という暑気払いの風習がありました。 江戸時代にも「氷室の節会」が受け継がれ、宮中や将軍家が献上された氷を食したり、氷室の氷を家臣などにに配る行事がありました。それが『夏越の祓』の神事と一緒になりました。庶民は、高価だった氷の代わりに水無月を食すようになり、民間の神事として行われるようになりました。

※氷室とは、冬の氷を夏まで保存しておく所で、昔の冷蔵庫のような場所(氷室小屋)です。

京都で定着した和菓子『水無月』が、全国的に『夏越の祓』と合わさり、『夏越の祓』の行事食として広まりました。

水無月は豆腐もあります。

左と中央は、鶴屋吉信さんの『水無月』です。素敵な箱入りで、3個入りからあるので、手土産にもおすすめです。外郎はモチモチで、小豆もほんのり甘く、上品な味です。

右は、京料理の美濃吉さんの『水無月胡麻豆腐』です。本来は三角形ですが、持ち歩いている間にちょっと崩れてしまいました。それだけ柔らかいです。小豆の味がしっかりし、タレもついていてとても美味しかったです。

水無月』は、京都以外では、販売期間も短かいので買えるお店も残念ながら少ないです。販売しているお店では、黒糖や抹茶味などもあるようなので、食べ比べてみるのもいいですね。

水無月が手に入らなかった場合は、ヨモギも邪気払いが出来ると言われています。ヨモギ湯に入ったり、ヨモギ餅などもおすすめです。

まとめ

日本には、美しく美味しい行事食がたくさんあり、年号は変わってもずっと続いている和菓子は素晴らしいですね。一年に一度しかない歳時の日にはその日だけのお菓子を食べる。そんな習慣を次世代にも残したいものですね。

水無月』は、外郎と小豆で作られるシンプルな和菓子ですが、その分、お店それぞれのこだわりが感じられます。小豆は、お祝いのイメージも強いですね。栄養価も高く食物繊維やタンパク質、ビタミンB1などが含まれています。柔らかいので、お子様から高齢者の方まで食べやすいお菓子だと思います。

こちらの水無月は、巌邑堂さんの水無月です。外郎の部分がしっかりしていて、甘さも控えめで美味しかったです。

氷の形をした三角形ですが、この三角形にも厄除けの意味があります。クーラーもなかった昔、氷は涼しさと厄除けをかねたとても貴重なものだったと想像できますね。今は、氷より水無月の方が手に入りにくくなっているのも面白いですね。

夏越の祓』『夏越ごはん』『夏越の祓が出来る神社』も合わせて読んで頂ければ嬉しいです。

最後まで読んで下さりありがとうございました。

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