半夏生は大切な節目の日です。

季節の行事

こんにちは、名越凜です。

このブログは、四季折々にある日本の行事や日々の生活を愉しむコツをご紹介していきます。

私は、四季の行事など全く興味がありませんでした。それでも、何も支障はなかったのですが、結婚した後、子供の成長と共に色々なことを経験するたびに自分が何も知らないことを実感しました。このままでは、どれが正解なのかわからない。子供にきちんと教えることも出来ない。親として情けないと思い、少しずつ勉強を始めました。私が知らなかったように、もし知りたいと思っている人のきっかけになればいいなと思います。四季折々の日本の行事を愉しみましょう。

今回は『半夏生(はんげしょう・はんげしょうず)』についてです。

半夏生とはどんな日?

半夏生』とは、夏至から数えて11日目の7月2日から七夕(7月7日)までの5日間をいいます。大体は7月2日ですが、2024年は7月1日から7月6日です。

夏至(げし)とは、1年でいちばん、昼の時間が長い日です。2024年の夏至は、6月21日でした。

また、現在は太陽が天球上の黄経100度通過する日のことです。『半夏生』に合わせてタコやうどんなどを食べる風習が、古くから続いています。

そして、『半夏生』は、二十四節気の「夏至」をさらに3つ(初候・次候・末候)に分けた、七十二候のひとつです。

七十二候 末候 「半夏生」と言います

半夏(はんげ)とは、薬草になる”烏柄杓(カラスビシャク)”の漢名が、半夏と言います。この半夏がこの頃に花をつけることから『半夏生』と言われるようになりました。また、田植えを済ませる目安の時期とも重なります。『半夏生』は、特に農業をしている人々にとって大切な節目なのです。

半夏生と田植えの関係は?

半夏生』の期間には、「チュウ(夏至)ははずせ、ハンゲ(半夏生)は待つな」とか「天から毒が降り、地から毒草が生える」といったちょっと怖い言い伝えがありました。そのために、農家では半夏生に入るまでに田植えを終わらせるという風習が生まれました。

また、農作業を休む物忌みの日とされているので、「野菜や山菜を収穫しない。」とされていました。他にも、『半夏生』に降る雨「半夏雨」は、毒気も含むと考えられ「井戸にはふたをする」という風習もあったようです。

物忌み (ものいみ)とは、ある期間中、ある種の日常的な行為をひかえ穢れを避けること。 

夏至の頃は農繁期にあたります。古くから『半夏半作(はんげはんさく)』といって、この日までに田植えや農作業を終えないと秋の収量が減ってしまうと考えられていました。

農作業がひと段落した『半夏生』には、つかの間の休息をとることが習慣になっている地域が多くあります。中には『さなぶり(田植えを終えたお祝い)』をしたり、5日間の休みを取る地域もようです。

半夏生の行事食は?

半夏生』の行事食は、全国的には「たこ」です。最初は関西で始まりましたが、今は全国的に食べられるようになりました。なぜ「たこ」なのかということですが、たこの八本足の吸盤が吸い付くのがとても強いように、稲もしっかり根付くようにと願って食べるようになったと言われています。

今年も美味しいお米がたべられますように」と、願ってたこ料理を作ったり、たこをモチーフにしたものを飾ったりしたようです。

香川県では、かつて田植えや麦刈りの労をねぎらうために『半夏生』にその年に収穫された麦を使ってうどんを打つて振舞う風習がありました。

香川県に『半夏生』にうどんを食べる風習が根付いて、香川県生麺事業協同組合によって1980年の7月2日が「うどんの日」に制定されました。『半夏生』から始まった記念日ですね。「半夏うどん」とも呼ばれます。

福井県で『半夏生』に丸焼きの鯖を食べるようになったのは、大野(現在の福井県大野市)のお殿様が、領民に田植えで疲れた身体を癒し暑い夏を乗り切るために鯖を配ったのが始まりとされています。
現在では、福井県内各地で食べられるようになり、スーパーにも丸焼き鯖がずらりと並びます。

今回は、代表的な「たこ」と香川県の「うどん」、福井県の「鯖」をご紹介しましたが、他にも『半夏生』に食べられる食材はあります。

まとめ

半夏生』の7月2日は、新年から182日、大みそかまで182日で「真ん中の日」とも呼ばれます。半年たった節目の日でもあります。

また、田植えの節目でもあり、1年の半分が過ぎたことで「ちょっと休みましょう。」と、提案をしてくれる日でもあります。

半夏生』の時季は、日本近海で水揚げされるマダコが旬です。疲労回復に役立つタウリン、皮膚を健康に保ってくれるナイアシンなどをふんだんに含み、たこは暑い夏を乗り切るためのパワーをくれる食材です。また、たこは「多幸」に通じる縁起物でもあります。

香川のうどんも福井の鯖もそうですが、旬の食材で半年間の労をねぎらい、暑い夏を乗り切るためのパワーをもらえる食材です。『半夏生』には、地元の旬の食材を食べるのが一番ですね。

半夏生は節目の日です。ここから始まる半年を元気に過ごすためにもパワーをもらえる旬の食材を食するのはいかかでしょうか。

最後まで読んで下さりありがとうございました。

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